こども新聞「レッツエンジョイ!vol.6」考察
こんにちは。
この記事では、月刊こども新聞2025年2月号(FMふくやま)に出題した問題について考えていきます!
(今回の記事も、新コースの歩みに関するものではまりません。)
問題
今回は「2月」にちなんで「2」がたくさん登場します。
同じ数を2つかけ合わせたものを、その数の「2乗」といいます。(「2乗」は「平方」ともいいます。)
例
1の2乗(平方)は1×1=1
2の2乗(平方)は2×2=4
3の2乗(平方)は3×3=9
また、同じ整数を2つかけ合わせてできる数のことを「平方数」といいます。上の例の答えになっている1や4や9は平方数です。
2で割り切れない数のことを「奇数」といいますね。実は、奇数の和と平方数には次のような不思議な関係があるのです。
1+3=4
1+3+5=9
1+3+5+7=16
奇数を小さい順に足していくと、次々に平方数ができていきます。
どのような法則があるのか考えながら、次の問題に挑戦してみよう!
問題1
次の計算の答えは、どのような平方数になりますか?また、その平方数は何の2乗(平方)になっていますか?
1+3+5+7+9+11
問題2
9×9=81であることから81は平方数です。この81はどのような奇数の和で表すことができますか?
答え
問題1
1+3+5+7+9+11=36
36は6の2乗(平方)
問題2
平方数81は1+3+5+7+9+11+13+15+17と表すことができる。
考察
奇数は必ず
2×〇-1
という形をしています。小さい順に1、3、5、・・・と見ていくと
1=2×1-1
3=2×2-1
5=2×3-1
・・・
といった感じです。
2×〇は2の倍数、つまり偶数を表していて、偶数から1引いた数が奇数であるというイメージが持てればOKです!
2×〇-1の〇に当てはまる数は、小さい方から数えて何番目の奇数であるか、ということを表しています。例えば、〇を1にすると1番目の奇数1、〇を2にすると2番目の奇数3、〇を3にすると3番目の奇数5になります。また、123番目の奇数を知りたいときは、〇に123を当てはめて
2×123-1=246-1=245
と求めることもできます。
小さい方から数えて〇番目までの〇個の奇数の和は
① 1+3+5+・・・(2×〇-5) + (2×〇-3) + (2×〇-1)
と表すことができます。
(※ 奇数は1~(2×〇-1)まで、2ずつ増えていくので①のような式になります。)
これがなぜ平方数になるのでしょうか?
今回は、数学者ガウスが7歳の時に使ったと言われている考え方を用いてアプローチしてみます。
まず、①の式の足す順番を➁のように逆にしてみます。
② (2×〇-1) + (2×〇-3) + (2×〇-5) +・・・5+3+1
①の足し算の順番を逆にしたものが②ですので、①と②の計算結果は同じになるはずです。その答えを■として整理してみると次のようになります。
これらの式を、=の左側同士、右側同士、縦に足してみると次のようになります。
=の左側は
■×2
と表すことができます。
また、=の右側は〇個の(2×〇)の和なので
(2×〇)×〇
すなわち
〇×〇×2
と表すことができます。
したがって
■×2=〇×〇×2
よって
■=〇×〇
もとの式の和■は〇の2乗(平方)になっています!
■=〇×〇を使って問題1、問題2を考えてみます。
(※ 〇は式■に並んでいる奇数の個数も表しています。)
問題1の式は、小さい方から数えて6個の奇数の和なので、答えは〇に6を当てはめて
6×6
になります。
問題2の81は9の2乗なので、〇が9だと考えて、小さい方から数えて9個の奇数の和で表されると判断することができます。
終わりに
どうでしたか?高校で学習する「数列」では、他にもいろいろな数の和について考えていきます。お楽しみに!