英語「Output」×「外国語の普段使い」=エピソード動画作成
Rationale
(今回のプロジェクトの私たちの理論的根拠)
今回は上記の内容で4回にわたりUpdate Learningの授業を行いました。
英語学習で最も大切なものはInputです。これに関しては議論の余地がないと思います。道具なしで芸術作品は作れません。本を読んだことのない人に小説は書けません。四則計算を知らずして数学の問題は解けません。
でも、いつになったら十分Inputを手に入れたと言えるのでしょうか。今はsilent period (沈黙期)だからと待ち続けたら、外国語で発話ができるようになるのでしょうか。私たちはそうとは考えません。
授業のプランニングの段階で十分でないInputを経験で補うことが可能だと考えました。そこから導き出されたのが、今までのちょっとしたエピソードの動画を作成し、その台本に普段使いのフレーズを取り入れ、それを英語にして共有していこう!という活動です。
これが、英語「Output」× 「外国語の普段使い」という授業を思いついた背景です。
AIの積極的な利用
生徒の英語力不足を補うために今回はAIの利用を許可しました。
AI仕様に対する生徒の感想
教員からも
これからの時代はこのようなツールを用いることが増えると思うので、これからは英語で何をしたいのかという視点が必要になると思います。
日本語を英語に訳して、その英語を日本語に直すと、出発した言葉と変わるのが面白いと思いました。
などの感想が出ています。
習うのを待つのではなく、自分が表現したいことを自分のペースで学ぶことを助けるツールだと思います。
Implementation
授業展開
1時間目(エピソードトーク+台本作り)
2時間目(台本作り+撮影)
台本の一例です。
3時間目(撮影+編集)
4時間目(発表会)
いよいよ映像の発表会です。今回は基準を設定して相互審査をしました。その基準が
英語「Output」× 「外国語の普段使い」できるように発表するグループに注目して欲しい表現を発表してもらい、見ている生徒はその表現に注目しながら鑑賞しました。
Implication
(このプロジェクトの示唆するところ)
授業実践の提案
立教大学の中田達也先生も言われてる通り(英語は決まり文句が8割 今日から役立つ「定型表現」学習法 (講談社現代新書))、英語では使える定型表現の数が表現力を左右します。普段自分が使っている定型表現を英語で使えるようになれば、おのずと英語における表現の幅も広がります。演じることでその表現を使う況が身体記憶として残ります。もちろん、日々の地道なInputが大切なのは当然ですが、+αの活動として実践していただければ幸いです。
プロジェクトチームの感想
今回のプロジェクトに先駆けて私たちも映像を作りました。その時の主演俳優の感想です。
自分の経験ではなく人から与えられた台本だったので、撮影が終わったあとは使った英語表現は何一つ頭に残りませんでした。それに対して自分がカナダで苦労しながら使った(個の教員は何度か修学旅行でカナダを訪れています)表現は今でも覚えています。
この感想から、自分事として学習しないと身につかないということが分かります。そういった意味でも生徒が自分の経験を台本にして、そこで使った表現を覚えるという活動には学習を自分事とするという面でも意味があると思います。