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こども新聞「レッツエンジョイ!vol.5」考察

こんにちは。
この記事では、月刊こども新聞2025年1月号(FMふくやま)に出題した問題について考えていきます!
(今回の記事も、新コースの歩みに関するものではまりません。)


問題

2025年がスタートしましたね。新年といえば、くじを引く機会が多い時期だと思います。今回は、くじに関する問題です。

5本のくじの中にあたりくじが2本、はずれくじが3本あります。この中から次のように2回くじをひきます。
〔1回目〕5本のくじの中から1本引き、あたり、はずれを確認した後、引いたくじをもとにもどしてよくかきまぜる。
〔2回目〕もう一度5本のくじの中から1本引き、あたり、はずれを確認する。

2回くじを引いた結果として、1番起こりやすいと考えられるものを次の①~③から1つ選んでみましょう。

① 2回ともあたり
② あたりとはずれが1回ずつ
③ 2回ともはずれ

答え

1番起こりやすいのは②(あたりとはずれが1回ずつ)です。答えを見て、意外に思った人もいるのではないでしょうか。
ここからは、なぜ②が一番起こりやすいといえるのか、考えていきたいと思います。

考察

2本のあたりくじを、次のように表すことにします。

また、3本のはずれくじを次のように表すことにします。

このとき、くじの引き方の全パターンは次のように図に表すことができます。

図1

このような図のことを「樹形図」といいます。
数えてみると25通りあることがわかりますが、計算して求めることもできます。1回目のくじの引き方は5通りあり、その1つ1つに対して2回目のくじの引き方は5通りずつあります。したがって、5×5=25(通り)と計算することができるのです。
これら25通りのくじの引き方は、どの場合が起こることも同じ程度に期待されます。(これを数学では「同様に確からしい」といいます)

全25通りのうち、2回ともあたる場合は、次のように図に表すことができます。

図2

全部で4通りですが、これも先ほどと同じように2×2=4(通り)と、計算することができます。

次に、あたりとはずれが1回ずつとなる場合は、次のように図に表すことができます。

図3
図4

図3の場合は2×3=6(通り)、図4の場合は3×2=6(通り)と計算することができ、合わせて6+6より12通りあることがわかります。

最後に、2回ともはずれる場合は次のように図に表すことができます。

図5

3×3の9通りあります。

まとめると次のようになります。

  • くじの引き方は全部で25通り

  • 2回ともあたりになるのは4通り

  • あたりとはずれが1回ずつになるのは12通り

  • 2回ともはずれるのは9通り

以上より、1番起こりやすいのは②の(あたりとはずれが1回ずつ)ということになります。

おわりに

どうでしたか?
今回の考察では、「場合の数」のみを扱いましたが、起こりやすさの程度を表す数「確率」を用いて、さらに詳しく考えることもできます。よければ挑戦してみてくださいね。